知っておきたい「個人事業主の公的保障」

こんにちは。ささきなおこ保険事務所でございます。

ここのところ、新しい働き方として、フリーランスや個人事業主になる方をよくお見かけするようになりました。かく言う私も個人事業主3年目に突入しました。

今回は個人事業主に知っておいていただきたい公的保障のこと、3つ書きたいと思います。

1.もらえる年金が少ない

まず老齢年金です。これは私たちの老後の生活費を支えるための国の制度です。

公的年金は、原則として20歳以上60歳未満の日本に住む人すべてが加入する「国民年金」と、会社員や公務員が加入する「厚生年金」の2階建て構造になっています。

会社員であれば国民年金に加えて厚生年金がプラス保障されるということになります。

年金の額は掛けた期間やお給料の額などで変わるため人それぞれですが、両年金を比較すると平均ざっとこれくらい違います。

公的年金の種類平均年金月額
国民年金(自営業、専業主婦)約 56,000円
厚生年金(会社員等)約 146,000円

参考:厚生労働省「令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」

ずいぶん違いますよね。

一度も会社員をしていない個人事業主であれば平均月56,000円。これだけでは生活できないですね。

ちなみに、私が会社員をしていた時は、厚生年金の掛金が月50,000円ほど(半分は会社が納めてくれます)で高かったのですが今は16,920円(付加保険料400円含む)です。

払う額が少ないのでもらえる額も少ないという事なので、会社員時代払っていた額との差額くらいは自分年金を準備しておかなきゃとコツコツ始めています。

詳細はまた書きますね。

2.仕事を休んだ時の保障がない

次に傷病手当金です。これは休職した時に本人や家族の生活を保障するために設けられた会社員が加入する「健康保険(けんぽ)」の制度です。

会社員の時は、休職しなければならない状態になった時は「傷病手当金」が最長1年6ヶ月まで、1日あたりお給料(総支給)の2/3が支給されました。たとえばお給料が月30万円の方であれば1日1万円の2/3、すなわち1日約6,700円保障されます。

結構大きいですよね。有休を使うこともできますしね。

ですが個人事業主(国民健康保険の人)に傷病手当金の給付はありません。

決められた障害等級(1級・2級)に該当するほどの状態であれば年金制度から障害年金が支給されますが、そこまでにはならないけれど仕事はできないという事ってありそうですよね。

ガンの治療でしんどい時、更年期の心身の不調、転んで骨折、女性疾病の手術・・・。

身体が辛い時に、収入の心配もしなければならないのが個人事業主です。ましてや養う家族がいるなら私以上にその心の負担は大きいでしょう。

たった1ヶ月仕事ができなかったために事業がうまくいかなくなった方もいらっしゃいます。

事業を始めて頑張っている矢先に仕事ができなくなってしまったらと考えると、はっきり言って恐怖です。闘病が辛くても、収入が減る心配だけはしなくても良い様に準備しています。

3.遺族への保障が少ない

最後は遺族年金です。これは家族を養っていた個人事業主に万一の事があった時、残された遺族の生活の不安を無くすための国の制度です。

遺族年金には、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があります。

例えば一度も会社員をされていない個人事業主であれば「遺族基礎年金」のみが対象となりますが、実は遺族基礎年金は子のある配偶者または一定の範囲の子どもしか受け取れません。

仮に小さい子どもが二人いる家庭のご主人が亡くなった場合、

配偶者795,000円+子ども二人分228,700円×2の合計1,252,400円が年金額です。(令和5年度価額)

月に約10万円ですね。(厚生年金加入期間があれば、遺族厚生年金がプラス支給されます。)

という事はですよ。

子どもがいない私の場合遺族基礎年金はもらえないという事です。

厚生年金の加入歴は15年ほどありますが、遺族厚生年金は夫が受け取る場合、夫が55歳以上でなければならないという要件があるので、

・・・・私が死んでしまっても今の時点ではどちらももらえないんですよね。

男性なら一人残されても経済的に全く問題ないでしょう、という考えは古いと思いませんか。

若くして妻を亡くす夫の辛さを考えると、少なくとも仕事が手につかなくなった夫の当面の生活費くらいは遺してあげたいなと思い準備をしています。

まとめ

個人事業主にこれからなろうと思っている方も、すでにそうだという方も、まずは国の制度を知ってください。

その上で、自分が受けられる保障がどのくらいあるか、足りない部分はどこか、必ず確認してみてください。

個人事業主になることにはリスクがありますが、リスクは自分で減らせます。反対に言えば備えがないとリスクだらけです。

備えて、不安を無くして、個人事業主ライフを楽しみましょう!

 

 

お問合せはこちらまでお気軽に!  

お問い合わせ (sasakinaoko-hoken.com)   

コメント

タイトルとURLをコピーしました